生保労連(全国生命保険労働組合連合会)は生命保険会社の営業部門・事務部門に働く労働者25万人(19組合)を組織する労働組合です。

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宮城県多賀城市・亘理町の救援ボランテイア活動

皆さん、こんにちは。労働局の内勤職員委員会担当の本間です。

 私は、5月26日~6月2日まで連合のボランテイア救援派遣として、宮城県内で活動してきました。生保労連としては、今回で4回目の派遣となり、前半3日間は多賀城市で、後半3日間は亘理町で活動してきました。

 前半3日間の活動拠点、多賀城市は、宮城県の東部に位置し、724年(奈良時代)に陸奥国国府として栄えた、人口約63,000人の都市です。(「多賀城」は城址公園として整備されています。)

 仙台市からもJR仙石線で約20分と近郊に位置している他、仙台港も近い風光明媚な地域です。今回の震災では、187人の方の尊い命が奪われ、約4000件の家屋が損壊しました。私が今回作業を行ったのは、仙台港のすぐ近くに位置し、被害が特に大きかった、宮内地区という地域です。

 作業内容としては、家屋の前や脇に敷かれている側溝内の清掃作業でした。側溝内には津波が運んできた土砂をはじめ、近隣の家屋から流れてきた食器類や食材等、様々な物がつまっていました。こうした側溝内に入っている物をスコップですくいあげ、土嚢袋に入れていく作業を行いました。

 周囲の状況として、家屋は激しく損壊しており、住民が全く生活することができない状態でした。そのため、地域内の住民は現在避難所に移っており、時折、必要な荷物等を取りに自宅に戻って来られる方の姿を目にしました。

 また、作業を進めていた際に1匹の飼い猫を目にしたのですが、元の家に飼い主の姿はなく、自分の飼い主を捜し回っているようでした。そのため、人恋しかったのか私たちが作業をしている姿をじっと見守っていました。猫の姿を見て、とても切ない気持ちになったのですが、「地域の復興と再生に向けて、少しでも役に立っていきたい」との気持ちを強く持ち、作業を精一杯進めていきました。

 多賀城市での作業の最終日には、市の社会福祉協議会の会長から涙ながらに感謝のお言葉をいただき、大変嬉しく感じるとともに、「地域再生に向けて、今後も可能な限りの協力を行っていきたい」と強く思いました。

 

 後半3日間は、宮城県南部に位置する亘理町で作業を行いました。亘理町は、仙台市街からJR常磐線で約30分と近郊に位置しており、比較的温暖な気候を活用してイチゴの栽培が盛んに行われている地域です。

 多賀城市と同様、津波の被害も大きかった地域の一つであり、今回の震災では、255人の方の尊い命が奪われてしまいました。しかし、今回の震災では、町内を走る高速道路が防波堤の役割を果たし、津波による被害の拡大を防ぎました。この高速道路は、「仙台東部道路」という、仙台市街と福島県相馬市等、太平洋沿岸地域を結ぶバイパス道路です。海から約3キロ程離れた地点に建設されており、この道路の海側とその反対側とでは被害状況は全く異なっていました。

 私が今回作業を行った地点は、海側に位置する吉田地区、長瀞地区という地域です。

両地域とも、数多くのイチゴ農家が軒を連ねており、時折、カッコウの鳴き声も聞こえるのどかな地域でした。今回の震災で、農家のビニールハウスが損壊したり、土砂が田や畑に流れ込んだりと大きな被害を受けていたのですが、地域住民は自宅に戻りながら地域社会や日常生活の再生に向けて、懸命にご努力されていました。

 後半3日間も、側溝内の清掃作業に従事しましたが、多賀城市での作業と異なり、ビニールハウスのパイプや袋に入った肥料等、引上げに苦労する物が大量に側溝内に入っていたため、大量の汗をかきながら大型スコップを活用し作業を進めました。時折、地域住民の方から冷たい飲み物を差し入れていただくなど、住民の方と触れ合いながら作業を行うことができました。また、6月1日の作業終了時には、暖かいうどんを差し入れていただき、身も心も暖まりました。(驚いたのは、うどんの中にツナが入っていたことです。ツナの油がつゆの味を引き立てていて、とても美味しくいただきました。)

  多賀城市、亘理町両地域とも、海から2~3キロ圏内に位置していることから津波の被害は甚大で、震災から3か月以上経過した現在でも倒壊家屋やガレキ等は片付けきれていません。報道では知ることのできなかった震災の惨状や、地域の復興と再生に向けて懸命に努力されている地域住民の方々の様子を体感することができ、本当に貴重な経験になりました。今回の経験を活かし、「被災地域の復興に向けて貢献していけるよう、懸命に努力していきたい」と強く感じています。共に頑張りましょう!

同じグループのメンバーと(撮影場所:多賀城市宮内地区)

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