生保労連(全国生命保険労働組合連合会)は生命保険会社の営業部門・事務部門に働く労働者25万人(19組合)を組織する労働組合です。

生保労連50年史

結成50周年を機に、これまでの生保労連の歩みをまとめた年史を作成しました。

ここでは、各方面のみなさまから頂戴した祝辞の一部を紹介します。

日本労働組合総連合会 会長 神津 里季生

社会課題を克服しながら希望ある未来づくりへの運動

全国生命保険労働組合連合会(生保労連)の結成50周年に際し、心よりお祝い申し上げます。生保労連は、国民の安心と生活を支える生保産業の産業別労働組合として、1969年に結成されて以来、長年にわたり大きな役割を発揮してこられました。経済・金融情勢が絶え間なく変化する中にあって、産業政策活動を強化し的確に対処してこられるとともに、生保産業で働く皆さんの働きがいや生きがいを大切にして、社会から広く共感される取り組みを進めてこられた皆さんのご尽力に、心より敬意を表します。

生保産業で働く皆さんの活動は、顧客一人ひとりの生活・人生設計に向き合い、安心と豊かさを届けていることにとどまりません。人と人との密なつながりと、地域に根差した活動を通じて、安心して地域でくらすことのできる社会づくりの一役を担っています。

人と人、人と地域のつながりは、人口減少・超少子高齢社会、技術革新のさらなる進行など、社会・経済状況が目まぐるしく変化していくこれからの時代に、いっそう重要性を増してくると思います。だからこそ、年齢や性別等にかかわらず、多様なすべての働く人がいきいきと働き続けることができるディーセント・ワークの実現が不可欠です。

労働組合は、これからの予測の難しい変化に対応していくため、健全な労使関係を基盤に、直面する様々な社会課題を乗り越えていかねばなりません。

連合は2019年11月の結成30周年を迎えるにあたり、「働く仲間一人ひとりをまもる」「働く仲間・地域社会をつなぐ」「社会・経済の新たな活力を創り出す」運動へと再構築をはかり、生保労連の皆さんをはじめ、すべての働く仲間とともに、一体となって希望ある未来づくりに力強く取り組んでまいる所存です。

引き続き連合に対する一層のご支援をお願いするとともに、生保労連の益々のご発展と、生保労連に集う働く皆さんの益々のご健勝とご活躍を祈念いたします。

一般社団法人 生命保険協会 会長 清水 博

この度、全国生命保険労働組合連合会が結成50周年を迎えられましたことを心よりお慶び申し上げます。

1969年10月17日の結成大会以来、生命保険産業唯一の産業別組織として、営業職員はじめ生命保険募集人に寄り添うとともに、生命保険の社会的使命の達成に向けた政策を提言され続け、献身的に取り組んでこられましたことに深く敬意を表します。

とりわけこの10年においては、2011年の東日本大震災をはじめとして相次ぐ自然災害に見舞われましたが、組合員の皆さまにおかれましては、自らも被災する中、お客さま対応に奔走され、人と人とをつなぐ「かけはし」としてご尽力いただきました。こうした取組みがあったからこそ、お客さまや地域への貢献を果たすことができたと認識しております。あらためて、組合員の皆さま方、そして生保労連の皆さま方に、厚く御礼申し上げます。

社会環境が激しく変化する中、国民生活の安定・向上に向けて、生命保険産業が更に貢献していくためには、労使が建設的な議論を通じて、共に進んでいくことが重要と考えております。

2017年12月、金融業界において初めてとなる取組として、生保労連と生命保険協会が、働き方改革に向けた「労使共同宣言」を採択いたしました。その一節に、「生保産業の力の源泉は、産業に関わる者一人ひとりにこそある。」とありますように、生命保険はまさに組合員の皆さまがあってこそはじめて成り立つ産業です。

生命保険協会は、今年度「新時代における希望あふれる安心社会の実現に向けて」という方針のもと、人生100年時代において、生命保険事業が社会貢献を果たすべく、諸取組を推進して参ります。生保労連と力を合わせて取組を進めることによって、お客さまからの生命保険への信頼を更に強めて参りたいと願っております。

最後になりますが、生保労連の益々のご発展と組合員の皆さま方のご健勝を心より祈念しております。

金融庁 長官 遠藤 俊英

貴全国生命保険労働組合連合会におかれましては、このたび創設50周年を迎えられますことを、心よりお慶び申し上げます。1969年10月の結成以降、生命保険産業唯一の産業別組織として、生命保険産業の発展と組合員の労働環境の改善・向上に大きく貢献されてきたことに敬意を表します。

昨今の保険業界を取り巻く状況を見てみますと、生産年齢人口の減少等による国内保険市場の縮小の可能性、長寿化による医療・介護負担や老後の生活資金の増加、デジタライゼーションの進展、低金利環境の継続など、様々な環境変化が起きているところです。

このような環境の変化も踏まえ、各生命保険会社は、いわゆる健康増進型保険や認知症保険など様々な商品やサービスの提供に取り組んでおられます。

それらの取組みを進める上で、各生命保険会社には、顧客本位の業務運営を追及し、持続可能なビジネスモデルを構築していくことが強く求められています。

そうした中で、生命保険産業で働く営業職員の方々におかれましては、顧客本位の業務運営の観点からも、「フェイス・トゥ・フェイス」の強みを活かし、これまで以上に契約者の方々一人ひとりに合ったきめ細かな保障やサービスを提供していくことが重要と考えられます。

貴会におかれては、多様化・高度化するお客さまのニーズに対応するために、「コンサルティング活動」、「お客さまサービス活動」及び「販売ルールを守った活動」の3つの活動を「ベストアドバイザー活動」として位置付けて、その実現に向けて取り組んでおられると承知しております。この取組みを通じて、契約者の安心や利便性の向上に資することとなるよう期待申し上げます。最後になりますが、貴会の更なるご発展と組合員の皆様方の一層のご健勝を祈念いたしまして、私からの祝辞とさせていただきます。

公益社団法人 全国消費生活相談員協会 理事長増田 悦子

貴連合会が結成50周年を迎えられたことを、心からお慶び申し上げます。組合員の方の働き方改革への取組みはもとより、生保産業の社会的使命を果たすための、長きにわたるこれまでのご尽力に心から敬意を表します。

本協会の消費生活相談員である会員は、貴連合会のU&Uネットワークに参加させていただき、消費生活相談の現状をお伝えすることができると同時に、営業職員のみなさんの不断の努力を知ることができる有益な機会をいただいています。こうした経験により、消費生活相談員は、消費者から相談・苦情が寄せられた際に、事業者への信頼をベースにした助言ができます。また、営業職員のみなさんに消費生活センターを知っていただくことで、消費生活センターから連絡をした際にスムーズな解決に繋がると考えています。

生命保険に関する消費生活相談は年々減少傾向にあります。10年前には生保業界への厳しい評価がありましたが、信頼確保のための努力が実を結び、さらに東日本大震災の経験により、消費者からの信頼は格段に高まっています。一方で、生命保険は社会においてなくてはならないにも関わらず、消費者にとっては適切な選択が難しく、加えて生命保険の契約は、一生のうちに何度も経験することのないものです。そのため、長くお付き合いをしている営業職員の役割が何より重要です。今後、インターネット取引が益々増加すると推測されますが、対面による丁寧な説明、高齢者への配慮、地域の見守り活動への貢献など、消費者からの期待に応える活動を継続していただきたいと思います。

生命保険業界は、金融庁が公表した「顧客本位の業務運営」を採択し、消費者庁が推進している「消費者志向経営」を目指しています。貴連合会は、それらを組合員の方々が現場で実施するためにさまざまなサポートや取組みをされ、大きな役割を果たしています。

貴連合会の今後の活動に期待し、消費者の安心・安全な暮らしをともに目指したいと思います。

日本私立学校振興・共済事業団 理事長 慶應義塾 学事顧問
清家 篤(生保労連ユニオンアドバイザー)

豊かな人生100年時代を迎えるために

全国生命保険労働組合連合会の創立50周年まことにおめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。また今日まで生保労連を発展させてこられた歴代役職員や組合員の皆さまに敬意を表します。

日本はいま、世界に類を見ない高齢化を経験しつつあります。そうしたなかで、高齢者の生活安定は最も重要な社会課題といっても過言ではありません。ここで生命保険業の役割はますます大きなものとなっています。それは高齢者の持っている金融資産を、高齢者の生活を豊かにするために活用するということです。

その一つの方法が個人年金であることはいうまでもありません。特に高齢になって認知能力が低下すると、資産の運用も難しくなります。そこでそうなる前の事前契約としての年金保険の持つ重要性は、本格的な高齢社会においてますます大きなものとなっています。

個人にとってとても大切な老後所得を確保するということですから、それぞれの事情や希望に沿って確実に年金を受け取れるようにしなければなりません。生命保険業に携わる労働者に求められるのは、そうした加入者に寄り添った、親身のサービスを提供することであることは言うまでもありません。

これまでも生保労連加盟の組合に属する組合員の皆さんは、まさにそのような努力を積み重ねてこられました。加入者に寄り添った営業活動によってこそ、生命保険への加入者の信頼は得られるわけですから、本格的高齢社会において生保労連組合員の役割はますます重要なものとなります。

そうした生命保険業界に働く人たちの努力を最大限に引き出すためにも、その雇用の安定と労働条件向上は欠かせません。「人こそ財産」といっても過言ではない生命保険業において、その労働条件向上に取り組む生保労連の責任もますます重くなっていると思います。そうした役割を期待される生保労連のさらなる発展を祈念して、お祝いのメッセージといたします。

生保労連 元中央執行委員長浜田 一郎

生保労連結成50周年、誠におめでとうございます。50年の運動に関わった組合員の一人として、感慨に堪えません。

私は2007年度〜2008年度に中央執行委員となり、2012年度には中央副執行委員長として組織委員会を担当し、2013年度〜2015年度には中央執行委員長として、通算6年間、生保労連運動に携わりました。

私が常駐の中央副執行委員長として着任した時は、2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興に国を挙げて取り組んでいた時期でした。その後、2016年には熊本地震が発生し、以来、日本国内各地において豪雨災害等、様々な被害に見舞われました。

そのような中で、生命保険は「もしもの時の備え」としての本来の役割に加え、私たちの日々の地道な活動、そして何よりもお客さまに寄り添い、大切に想う気持ちがお客さまの心を打ったことで、営業職員による対面販売の優位性が大きく見直されることになりました。

また、私たちは、これまで多くの先輩達が築いてこられた運動を引き継ぎ、「生命保険U&Uネットワーク」、「くらしと生命保険を語る会」、「オープンセミナー」等の開催を通じ、全国の組合員のみなさまとともに、生保産業の課題について意見交換を重ねてまいりました。

生命保険の世帯加入率が9割を超えるようになった昨今、生命保険は社会保障制度とともに国民の生活保障を支える重要な生活インフラとして、国民生活にとって切っても切り離せないものとなりました。

生保労連にとってこの50年間は、生保関連税制の充実、営業職員体制の発展・強化等、常に様々な課題に立ち向かい、その解決に取り組んできたものだったと思います。今や生保労連の取組みは産業内だけの課題に留まらず、労働問題から社会保障制度まで広く国の諸政策に及び、すべての国民が活躍できる豊かな社会の実現に向けて、さまざまな提案をする役割を果たす立場となりました。

さらなる少子高齢化が進み、人口構造が大きく変化していく将来において、生保労連には、消費者ニーズの多様化を的確につかみ、新たな課題を提起するとともに全国の組合員と考えを常に共有し、課題解決に向かって取り組んでいただきたいと思います。

引き続き組合員のみなさまには、仕事に対する誇りと高い使命感に裏打ちされた、きめの細かい販売・サービス活動をお願いしたいと思います。

最後に全国の組合員のみなさまを始め、生保労連運動に関わる役職員の方々の益々のご健闘を心より祈念申し上げます。